ミラノ駐在員からの現地最新情報

2018年01月 5日(金)

ワイン

世界で愛されるイタリアのリキュール『ディサローノ』

世界中で愛されるイタリアのアマレットリキュール“ディサローノ”。今回は、その誕生秘話とディサローノを製造するイルヴァ・サロンノ社の経営ファミリー、レイナ家の話を聞くべく、本社に訪問した。

 

 

迎えてくれたのは、海外営業部長のドメニコ氏。

 

「まずは、ディサローノの誕生秘話についてお話しましょう。イタリア・ルネッサンス時代の1525年、レオナルド・ダヴィンチの弟子でもあった画家ベルナルディーノ・ルイーニが、ミラノの北30kmに位置するサロンノの町にあるサントゥアーリオ教会のフレスコ画の作成依頼を受け、サロンノの町に滞在しながら、その作成にあたります。その滞在中に宿泊した宿屋の美しい女主人に恋をしたベルナルディーノは、彼女を絵画のマリア様のモデルにし、彼女同様のブロンドの髪、青い眼を描きました。そのお礼に女主人は、ベルナルディーノ・ルイーニに宿屋で琥珀色の特別なお酒を提供します。実はそれがディサローノの発祥なのです。」

 

そのサントゥアーリオ教会は今でもサロンノの町にあり、荘厳にそびえ立っていた。そして教会内部には、ベルナルディーノが書いたマリア様のフレスコ画が、飾られている。

 

 

サントゥアーリオ教会.JPG

▲サントゥアーリオ教会

 

 

 

そもそも、アマレットリキュールとは、あんずのエッセンシャルオイルから作られるアーモンドの香りがするリキュール。

 

 

1600年代、多くの家庭が薬用や消化促進として自分たちの蒸留酒やリキュールを作っていた。イタリアには地方ごとに個性的なリキュールを作ってきた歴史がある。たとえば、パルマのノチーノというくるみのリキュールであったり、マルケ州山岳部のアニスのリキュールであったり。サロンノの町は、アマレットというアーモンドを使ったお菓子でも有名で、同名のアマレットリキュールも作られていた。

 

 

「アマレットリキュールを作っていた家庭のひとつが、ディサローノの創業家であるレイナ家でした。レイナの名前は、スペイン女王に仕える収税吏に由来すると言われています。レイナ家は代々サロンノの町に居住し、1585年には、サロンノの教皇代理を務めたゴッタルド・レイナを輩出しています。ちなみにディサローノのロゴマークは、レイナ家の紋章をモチーフにしたものなんですよ。」

 

 

レイナ家の紋章.jpg                        ディサローノロゴマーク.jpg

▲左:ディサローノのロゴマークのモチーフとなったレイナ家の紋章/右:現在のロゴマーク

 

 

そのレイナ家のジョヴァンニ・レイナが1600年代にサロンノの宿屋の古いレシピを発見するのである。レイナ家はその秘伝のレシピを何世代にも渡り大切に守ってきた。実際に、現在でもこの秘伝のレシピを知るのは、会社の中でレイナ家と品質管理責任者の女性のみである。例え勤続30年の工場長でも、それを知ることは許されない。

 

 

「20世紀初頭、ドメニコ・レイナがディサローノの製造販売所をサロンノの中心地、ミラノからの蒸気鉄道の終着駅そばに“ドメニコ・レイナ・コロニアーリ”という名前で開店します。これがディサローノの市場におけるデビューとなったのです。開店後すぐにその魅惑的なリキュールの味に惹かれて、多くの人がお店で飲んだり、購入したりするようになりました。」

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▲ドメニコ・レイナ氏                                       ▲当時の「ドメニコ・レイナ・コロニアーリ」

 

 

 

 

90年代よりイルヴァサロンノグループを率いる現CEOアウグスト・レイナによる思い出話がある。「毎日、私の父ドメニコは商品のケースを“トラムヴァイ”と呼んだ荷馬車に積み込み、ミラノに赴いていた。ミラノの人々は、一体どこからこの特別なアマレットは来るのかと感嘆した。その答えは、今につながる言葉、“Di(of)Saronno”…..」

 

 

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▲商品を運んでいた“トラムヴァイ”の風景

 

 

 

 

世界160カ国以上に輸出されるディサローノ。実は製造場所は、人口3万9千人の小さな町サロンノにある本社工場1ヵ所のみ。ここで一日9万本のディサローノが作られる。

 

 

世界で愛されているイタリアのリキュール“ディサローノ”。2018年1月モンテ物産より取り扱いがスタートする。

 

 

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▲左:“ディサローノ・アマレット”(700ml)/右:“ディサローノ・アマレット・ベビー”(200ml)

 

 

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