2011 夏号夏真っ盛り！カラブリア州で辛ーい夏を過ごしてみませんか？

カラブリア州は人口約200万人の小さな州です。州都はカタンツァーロという町ですが、レッジョ・ディ・カラブリアという町のほうが日本では良く知られているのではないでしょうか。少し前にサッカーの中村俊輔選手が在籍したチームの本拠地です。この辺りはまだまだ交通も整っておらず、カンパーニア州とカラブリア州をつなぐ高速道路は建設開始から30年経った今もまだ工事が終わっていません。また、マフィア文化の根強い地域としても知られています。そういった事情もあってか、日本ではあまり旅行プランの中に入る州ではありません。 しかし、夏の間、イタリアの旅行会社の広告などを見ていると頻繁にカラブリア州が出てきます。
そうです。実は、カラブリア州は本当に魅力的な州なんです。 海は綺麗！料理とワインは美味しい！人も優しいと三拍子揃った州です！

トロペアの海

カラブリア州はティレニア海に面しており、イタリア本土からシチリア州へ車や電車で渡る際の最後の窓口になります。シチリア州へはフェリーで40分ほどかけて渡るのですが、車も電車もそのままフェリーに乗り込みます。海を渡っている間は、イタリア本土とシチリア島を同時に眺められる贅沢な時間です。船上からは稀にイルカも見られ、短い船上での旅に華を添えてくれます。カラブリア州の海で個人的に好きなのは、トロペアという町から眺められる海です。私も初めてその町を訪れた時にはあまりの海の碧さに感動しました。

トロペアは甘い赤タマネギで有名で、「チポッラ・ロッサ・ディ・トロペア(Cipolla Rossa di Tropea)」はIGP（保護地域指定呼称）にも認定されています。この町にあるレストランでは、この赤タマネギを使用した料理が色々と食べられます。赤タマネギを使ったスパゲッティはオイルと塩しか使っていないのにも関わらず、赤タマネギの甘さが際立って非常に美味しかったのを今も鮮明に覚えています。
このトロペアは、イタリアを足に例えて言うと『甲』の部分に位置します。そこから、『土ふまず』にあたるチロ・マリーナという町まで海岸線を進む間、碧い海が眼前に広がり、見る者を飽きさせません。
このチロ・マリーナには弊社と取引のあるリブランディ社があります。

カラブリア料理は辛い、というイメージがまず浮かびます。実際、様々な料理にペペロンチーノを使いますし、ペペロンチーノと豚肉を半々の割合で混ぜ合わせたンドゥイヤと呼ばれる郷土サラミはカラブリア州を代表する食材として知られています。このンドゥイヤはペペロンチーノの辛さだけでなく、肉の旨味が合わさるため非常に奥深い辛味になります。パスタソースに使用するとアクセントになりますので、一度是非お試しください。カラブリア州に限らず、南イタリアでは伝統的にペペロンチーノは保存料として使用されてきました。そのため、北イタリアではあまり見られない辛い料理が今も伝統として根付いているのです。

カラブリア州に限らず、南イタリアでは伝統的にペペロンチーノは保存料として使用されてきました。そのため、北イタリアではあまり見られない辛い料理が今も伝統として根付いているのです。 そして、食卓のお伴といえばやはりワイン。ワインも伝統に沿ってその土地に根付いたワインが造られています。辛い料理にはそれに合うワインが求められます。カラブリア州のチロ・ロッソというワインにはほのかに甘さが感じられ、辛い料理を食べた後の舌の炎上を和らげてくれます。信じられない方は是非とも一度お試しください。リブランディ社の造る「ドゥーカ・サン・フェリーチェ　チロ・ロッソ・リゼルヴァ(Duca San Felice Ciro Rosso Riserva)」 は辛い料理に特に合うワインとして知られています。 この赤ワインだけでなく、リブランディ社のチロ・ビアンコはフルーティーで酸味もキリッとした夏にぴったりの白ワインです。

一度、あまり知られていないこのカラブリア州を訪れてみませんか？
美味しい料理とワイン、そして美しい海が皆様を待っています。その美しい海を眺めながらビーチでチロ・ビアンコを飲む。
これ以上の贅沢はありません。

では、皆様。
Buona Vacanza！（良いバカンスを！）

モンテ物産株式会社　ミラノオフィス
稲田　俊介