Piacere ! (はじめまして) 今年5月よりミラノに赴任しました三笘(みとま)です。
よろしくお願いします。
初のイタリア生活で、今は毎日がspettacolo(スペクタクル)ですが、
そんな日々の中、週末に訪れたヴェローナ夏の野外オペラフェスティバルの模様を今回はお届けします!
古代ローマから中世の面影を色濃く残すヴェローナの街。
2000年にヴェローナ市街としてユネスコの世界遺産に登録されました。
周辺地域を含む人口は約25万人とヴェネツィアに次ぐヴェネト州第二の都市ながら、
時間の流れはゆっくりとしています。
豊富な水量を誇るアディジェ川に囲まれ、古代ローマ時代のピエトラ橋が架かり、穏やかな丘陵が眼前に眺望でき、
また街自体がコンパクトなので半日あれば十分歩き回れるほどです。
観光スポットも多くあり、シェークスピアのロミオ&ジュリエットのモデルにされたと言われる「ジュリエッタの家」や、
防衛を目的として1355年に建てられ、彼のナポレオンも孤塁を造らせた「カステルヴェッキオ」、
美しいエルベ広場にそびえ立つ83メートルの高さの「ランベルティの塔」(左写真)、
そしてなんといっても紀元1世紀に建造され、イタリアでもローマのコロッセオに次ぐといわれる
古代円形競技場 「アレーナ」があります。
ヴェローナの街を囲む城壁を通り、旧市街に入った途端に目の前に現れる大きな古代円形競技場。
紀元1世紀からの建物かと思うと、その壁に手を触れるだけで感慨深いものがありました。
またピンクと白で組み込まれた石材の色合いが可愛らしくもあり、とても愛着を感じます。
観客席は44段の大理石製で、収容人数は約25,000人であったとされています。
そんな歴史あるアレーナの中で毎年開催されるヴェローナ夏の野外オペラフェスティバル。
今年はアレーナがオペラ会場として使用されるようになってから100周年、
また偉大なるイタリアのオペラ作曲家ジュゼッペ・ヴェルディの生誕200周年であることから、
大変な盛り上がりを見せておりました。
6月のイタリアは年間で最も日が長い月。
この日も21時15分スタートでしたが、初めはまだ空が明るく、22時頃にようやく夜になりました。
私自身オペラは初体験だったのですが、まず会場のスケールの大きさと古代円形競技場の趣き、
暮れる空に浮かぶ美しい月や涼しい風など野外オペラの醍醐味に圧倒されました。
この日の演目は、ヴェルディの「椿姫」。イタリア語のタイトルはLA TRAVIATA(堕落した女)。
日本とイタリアでずいぶんタイトルが違いますが、日本はアレクサンドル・デュマ・フィス原作の
小説から名前を取っているそうです。
会場に響き渡るオペラ歌手の声が素晴らしく、登場人物の感情がよく伝わり、
またオーケストラの演奏と声がぴったりとあってムードを盛り上げてくれます。
大きな舞台の上では、50人ほどが立つパーティーの場面がありましたが、
スポットライトが当たらない端の方の役者も完全に役になりきり、動作が完璧でした。
このヴェローナ夏の野外オペラフェスティバル、今年は9月8日(日)まで開催されています。
夏にイタリアに旅行される予定のある方は、是非行かれてみてはいかがでしょうか。
それではみなさん、イタリアとともに今年の夏を楽しみましょう! Viva l’estate !
モンテ物産 ミラノオフィス
三笘 悟