

トスカーナ州グロッセート県チニジャーノ
1998年
ブドウ畑やオリーブの畑に囲まれたカステッロ・コッレマッサーリ
畑はすべて、ICEAの認証を受けたオーガニック農業の基準によって管理されています。110ha以上あるブドウ畑の主なブドウ樹は、ピサの大学と協力し、自生していたブドウ樹からマス・セレクションによって選び抜いたサンジョヴェーゼです。
平均15%の傾斜と急な丘陵のブドウ畑では、ブドウの木はコルドーネ・スペロナート仕立て、またはドッピオグイヨー仕立てで栽培され、収量は1haあたり約6トンです。
美しく仕立てられた畑。ICEAの認証を受けたオーガニック栽培を行なっている。
収穫期には、ブドウの選別に細心の注意を払っており、まずは振動台で、そしてその後はベルトコンベアの選別台で果実一粒ずつを手作業で選別しています。リゼルヴァワインのアルコール発酵は、ティネッロと呼ばれる台形のオークの発酵槽で行われ、パンチングダウン(ピジャージュ)は人の手で行われます。一方、その他のワインの発酵は温度管理されたステンレスタンクで行われ、熟成はワインの性質によって10~24ヶ月、フランス産のバリックとトノーまたはスラヴォニア産の4000Lの大樽で行われています。赤ワインの瓶内熟成は最低6ヶ月です。
選別台で果実一粒ずつを手作業で選別
ティネッロと呼ばれる台形のオークの
発酵槽で行われるピジャージュの様子。
特筆すべきは、垂直構造のセラーです。地下に広がる6000㎡以上の醸造施設は、以下の4つのコンセプトに基づいて作られています。すなわち環境に配慮した構造(バイオアーキテクチャー※1)、省エネルギー、高いクオリティの労働環境、周辺の自然環境を生かした構造(ビオディナミ・エンジニアリング※2)です。
※1:バイオアーキテクチャー:自然に配慮した構造のコンセプトデザインを指します。例えば雨水をワイナリー内での掃除などに使うために屋根をわざとV字型に作り、雨水を溜められるようにする、高低差を利用し、ブドウやモストの移動をポンプなしで行えるなど。
※2:ビオディナミ・エンジニアリング:自然の力をワイナリー運営に活用することを指します。例えば熟成庫内の壁の一部をコンクリートで覆わずに岩をむき出すにすることで湿度を保つ一助にする、ワイナリーの外壁をブラインドカーテンのように開け閉めできる構造にすることで、極力冷暖房を使わず、自然の太陽光、風通しを利用するなど。
高低差を利用し、ポンプを使用せずにモストを移動させる。
地下の壁の一部をコンクリートで覆わずに
自然の力を利用して温度を保つ工夫がされている。
コッレマッサーリは、ガンベロロッソのイタリアワインガイド2014年版で、最優秀ワイナリーに選ばれました。