
現当主のシモーネ・カゼッリさん。
現当主のシモーネ・カゼッリさん。
アチェタイア・カゼッリ社は1943年に現社長シモーネ氏の祖父であるジェリンド氏がモデナに創設して以来、親子3代にわたり、こだわりのバルサミコを創り続けています。原料は全て自社畑で収穫されるブドウのみを使用し、ボトリングまで全て自社で行い品質に高い誇りを持っています。また、熟成にはオーク、クリ、ジュニパー、クワなど複数の異なる木樽が使用されており、繊細かつ複雑な味わいのあるバルサミコを創り出しています。
Consorzio Aceto Balsamico di Modena(モデナバルサミコ協会)は、毎年モデナ内のバルサミコの優秀生産者を選出する品評会「パリオ」を開催し、12の生産者が選ばれます。そして、「パリオ」で選出された優秀生産者のみ10 年に一度、または特別な機会に開催される決勝大会「スーペル・パリオ」への出場を許されます。この「スーペル・パリオ」にて、バルサミコの聖地であるモデナで一番素晴らしいバルサミコの生産者が選ばれます。カゼッリ社は1999 年にConsorzio Aceto Balsamico di Modena の30周年を記念して開催された、「スーペル・パリオ」にて1969 年~ 1999 年の「パリオ」の優秀生産者の中で最優秀賞に選ばれました。
売上よりも、品質を守ることを最優先に、長年伝統と品質を守ることにこだわり続けた結果でした。現社長のシモーネ氏は「会社は儲けるためでなく、家族の遺産である美味しいバルサミコ酢を世界におすそわけするつもりでやっている。私にとってのバルサミコ造りとは、家族の伝統と品質を守り続けることなので、会社を大きくするつもりはない。」と語っています。
①収穫
ワインに比べ、バルサミコ用のブドウはより糖度が必要なため収穫が遅く、9月下旬から10月頃に収穫される。ブドウは全て自社畑で栽培され、丁寧に収穫される。
②圧搾・煮詰める
タンニンが出ないようにソフトプレスで圧搾され、全体の量が40-50%になるまで、伝統的な銅の容器で煮詰める。 *昔は左の写真のように足で踏んで圧搾していた。
③発酵
Botte Madreと呼ばれる主樽に煮詰めたモストを樽の7割くらいの量まで入れて発酵させる。ワインに比べ、より酸化を促すため、意図的に樽の中に一定の空間を造り、空気と触れやすくしている。また、季節の寒暖の差をそのまま反映させて活発な発酵を促す。
④熟成
熟成に使用する木樽はバッテリーと呼ばれ、樽の大きさ、木の素材も様々。栗、ジュニパー、クワ、オーク、さくらんぼ、アカシア等7種類を使用しており、様々な香りと味を演出する。