皆さま、Buongiorno。
先日までの暑い日差しが嘘のように、ミラノもすっかり秋模様です。サマータイムが終了する10月末になると徐々にクリスマスに備えて街でも赤色が目立つようになります。そう言えば、昨日スーパーではもうイタリアのクリスマスケーキのパネットーネが販売されていました。
さて、今回はスポーツの秋、読書の秋、食欲の秋、と色々ありますがその中でも当然(?)、「食欲の秋」を取り上げたいと思います。日本でも美味しい食材が豊富になる時期ですが、こちらイタリアも負けてはいません。この時期になるとレストランのメニューには、シェフのお薦めや日替わりメニューで、ポルチーニ、トリュフ、そして鹿やウサギ、野鳥などのジビエが登場してきます。 その中でもまさに今が旬の食材がTartufo(タルトゥーフォ)、そう、トリュフです。写真のお皿もローマで食べた一品「自家製キタッラのカルボナーラ白トリュフ風味」です。白トリュフがふんだんに使われていて本当に贅沢な一品でした。
トリュフはご存じの通り、キャビア、フォアグラと並んで世界三大珍味のひとつとされています。一見ゴツゴツしたジャガイモのような外見をした、栄養価ほぼゼロの地下になるキノコの一種です。トリュフには白と黒があり、一般的に白の方が珍重されます。
イタリアではピエモンテ州アルバが白トリュフ、ウンブリア州が黒トリュフの産地としては有名です。
日本でもTVニュースで見かけることがありますが、この時期、アルバではトリュフ祭が開催されます。今年も10月3日から11月8日の間、第79回トリュフ祭が催されています。アルバの町では露店や食料品店の前でトリュフやポルチーニの量り売りが行われていて、地元の人や観光客で賑わっています。
写真はトリュフ祭の会場の様子ですが、会場の特設テントの中はトリュフの香りが充満していて、何とも言えない雰囲気です。 知り合いのアルバのシェフから聞いたのですが、トリュフはトリュフ祭時期の「初モノ」より初雪後の11月中旬から年末までが最も香りがピークに達する上質のトリュフが味わえるそうです。
私も先日アルバを訪れた際は、仔牛のバットゥータ(生肉)とクルティン(黒トリュフ入りチーズ)、トリュフ風味アニョロッティ(詰め物パスタ)、ウサギの7種野菜煮込みを食べ、トリュフと地元料理を堪能しました。ワインも当然地元ピエモンテワインです。その時はお店のハウスワインFontana Fredda社のドルチェットを合わせました。昔からピエモンテでは家庭用ワインとして愛飲されてきた果実味と酸味のバランスがよいワインです。
皆さんも食欲の秋にお気に入りの秋の味覚を見つけて下さい。
では、Buon appetito!
<ミラノオフィス 本田 順哉>