モンテ物産、ミラノ駐在の宮西です。今回からは、このサイトでイタリアの食に関わるホットな情報を皆さんへお届けいたします。第1回の情報は、果物が美味しくなる時期ということに因んでイタリアのフルーツ!特にイタリアでも有数のフルーツ生産地として知られているシチリアのフルーツをご紹介します。
シチリアのフルーツと聞くと皆さんはどういったフルーツを思い浮かべられるでしょうか?そうですね。まずはブラッドオレンジ。モンテ物産でも輸入しているタロッコジュースでお馴染みです。実が赤くなるオレンジは3種類。
Tarocco(タロッコ)種
Moro(モロ)種
Sanguinello(サングイネッロ)種
があります。
シチリアのエトナ山周辺に広がる土壌と特有の気候が生み出す地中海の至宝といえます。冬場、気温が下がってくると実が赤くなり、毎年1月、2月が収穫の最盛期となります。イタリアでもI.G.P.(*1)規格としてその生産についてもEUの厳しい規則に則って生産されています。
次に挙げるとすれば何でしょうか?恐らくシチリアに行かれた方であれば一度は口にされた方もいらっしゃると思います。
シチリアでも主に夏場しかお目にかかれないこのフルーツ。冷蔵庫で冷やして食べる、非常に美味しい果物として知られています。
通常、市場では箱に黄色や赤色をしたサボテンの実が綺麗に並べられ売られています。
■サボテンの実の食べ方
1.皮剥き
そのまま生食で楽しみますが、表面に細い棘があるので、皮を剥かなければなりません!しかし、この皮むきは、素人には、中々、至難の業。熟練するには、何度かトライしないと難しいようです。
2.種のご注意
実の中には細かい種がたくさん入っていますが、この種は取り除かず甘噛みで飲み込みます。(この種を好まず食べない方も少なくありませんが・・・。)
このサボテンの実もD.O.P.(*2)規格とされており、D.O.P.の規格を与えられたサボテンの実は厳正な規則の下、
栽培されてます。
次に有名なのはPachino(パキーノ)のトマトでしょうか?
シチリアでも南部のシラクーサやラグーサ辺りで栽培されているトマトです。
イタリアでトマトと言えばサンマルツァーノが有名ですが、このパキーノも、その品質の高さは定評があります。大きく3タイプの大きさがあり、
日本にもある緑色で丸いもの
同じく褐色がかった深緑色の丸いもの
チェリータイプのもの
があります。
このトマトもI.G.P.規格とされておりそれぞれに収穫量が制限されているなど厳しい規則があります。
生食でもとてもすっきりした酸味と深い甘いがあり美味しいのですが、料理としてもアクアパッツァ等の魚料理にぴったりです。
最後にジェラート好きな方ならば、一度は食べたことのあるピスタチオです。最も有名なのはシチリア島東部のカターニャ周辺のブロンテという街のピスタチオです。日本ではお酒のつまみとして有名ですが、イタリアではむしろジェラートとして多くのピスタチオが利用されます。しかしながら非常に高価であることが原因で現在はイタリアでもトルコやイラン産のピスタチオが使われる例も少なくありません。 通常、ピスタチオは秋の初め頃が収穫の最盛期とされており、2年に1度収穫されます。 1年間休まされることによってピスタチオ特有の香り、味わいがより深いものになります。
まだまだ太陽の島シチリアにはたくさんのフルーツがあります!皆さんがシチリアを旅行される際には、是非、イタリアの太陽の味を感じられるシチリアのフルーツをトライしてみてください!
(*1)I.G.P.
Indicazione Geografica Protettaの略。保護指定地域表示の略。
その農産物、製品の持つ特有の品質、特徴が産地に由来するもので生産・加工・仕上げが特定の地域で行われた場合に与えられる品質認定表示。
製造工程の中の少なくとも1つの段階は特定の地域だけで行われなければならない。
現在、イタリア全州に48品目。
(*2)D.O.P.
Denominazione di Origine Protettaの略。保護指定原産地表示の略。
その食品の特徴が全面的に産地に由来するものである場合に与えられる品質認定表示。
製造工程全てが特定の地域で行われなければならない。
現在、イタリア全州に101品目。