今回のTantiliaは、イタリア半島のつま先に位置するカラブリア州のワイナリー、リブランディ社の醸造家・ニコデモ・リブランディ氏をご紹介いたします。
カラブリア州は他の州と比べて馴染みが薄い州ですが、海に囲まれ、豊かな自然に恵まれたとても美しい所です。
古代ギリシャの植民地として栄えた歴史を持ち、ギリシャ人達によってこの地でブドウ栽培とワイン造りが広められ、今なおその当時のブドウ品種が数多く残っています。それらのブドウ品種を使った代表的なワインが”チロ”です。また、料理は昔からペペロンチーノ(赤唐辛子)を使ったものが多く、カラブリア州といえば辛い料理というイメージがあります。
モンテ物産は、このカラブリア州ワインのリーダー的な存在であるリブランディ社のワインを、日本にご紹介しています。
現地で3年間をかけて人間関係を少しずつ育みながら、お互いの理解を深めていき、2005年から輸入を開始しました。3年間という期間は、他のワイナリーと較べれば少し長かったようにも思えます。
私自身、イタリアではニコデモ氏と面識がなく、初対面は2005年、顔合わせの為に彼が来日した時でした。その時のイメージは、『義理堅さ』。しかし、一旦仕事から離れ、食事の時になると、、ペペロンチーノをかじりながら高らかに笑う“親爺さん”で『豪快さ』というイメージに変わり、彼の隣に座っていると不思議と安心感がありました。
現地で3年間をかけて人間関係を少しずつ育みながら、お互いの理解を深めていき、2005年から輸入を開始しました。3年間という期間は、他のワイナリーと較べれば少し長かったようにも思えます。
私自身、イタリアではニコデモ氏と面識がなく、初対面は2005年、顔合わせの為に彼が来日した時でした。その時のイメージは、『義理堅さ』。しかし、一旦仕事から離れ、食事の時になると、、ペペロンチーノをかじりながら高らかに笑う“親爺さん”で『豪快さ』というイメージに変わり、彼の隣に座っていると不思議と安心感がありました。
先日、久しぶりにイタリア出張があり、リブランディ社訪問の機会を得た私は、1年ぶりに“親爺さん”と再会。60歳を超えても顔に艶があり、声に張りがあるニコデモ氏。畑、ワイナリー内を案内して頂き、最後に「講習会で紹介した通りでしょう?」と自慢顔。確かに、畑は手入れが行き届いており、ワイナリー内も1日に最低4回は、床を丁寧に洗浄しています。「物事は、小さなことこそ大事にする必要がある。」とブドウの木を撫でながらニコデモ氏が優しく語りかけてくれました。この時の私は、まさに“生徒”の気分でした。ワイン造りの出発点である畑を背景にそう言われると、「貴方が造ったワインを早く飲みたい!!」という衝動が込み上げてきます。
ランチでは、伝統食材である、いわしの稚魚をペペロンチーノで漬け込んだ「サルデッラ」を野菜につけて食べたり、ペペロンチーノを練り込んだンドゥイヤというソフトサラミをトマトソースに溶かし込んでパスタに和えたり、辛味の効いた各種チーズやサラミと、どれをとっても辛くて旨いものばかりでした。 合わせるワインは、何と言っても“チロ”ロッソ(赤ワイン)。辛味と旨みが、チロワインにある酸とタンニンと見事にマッチするのです。
ニコデモ氏の造るワインをグラスに注ぐと、畑に立つ“先生”とペペロンチーノをかじる“親爺さん”のそれぞれの顔が浮かび上がります。
ニコデモ氏との出会いを通して、ワインの楽しみ方、そしてイタリアの楽しみ方を教わりました。
食事とワインの相性が注目される今、風土に根付いた伝統料理と地元ワインの組み合わせが最も自然だと思われます。今後はさらに、カラブリア州の料理、ワインのご紹介に注力していきたいと考えています
<元ミラノ駐在員 廣澤>