さて、今回は2009年のはじめの便りということで、イタリアの年末年始の様子をお届けいたします。日本では年末12月の30日あたりから新年の4日あたりまでお休みされる方が多いですが、イタリアはカトリックの国ですから、イタリア人にとっては何と言ってもNatale(=クリスマス)が一年の中でも重要です。2008年は25日が木曜日だったため、年始の6日まで休んだ人も中にはいました。ちなみに1月6日は東方の3博士がキリスト礼拝にやってきたことを記念する祝日(主顕節)です。クリスマスは日本と違って、イタリアでは家族と過ごします。家ではノンナ(おばあちゃん)やマンマ(お母さん)がとびっきりの料理を用意します。
そして家族でテーブルを囲んでワイワイおしゃべりしながら夕食をとります。夕食の締めはプレゼント交換です。家族でプレゼント交換をして包みを開けるたびに大喜び・大騒ぎするのです。この家族行事が終わると子ども達はそれぞれの彼氏・彼女・友だちと外出します。そして夜に教会でミサに出てクリスマスを締めくくります。好きな人と二人で過ごす日本のクリスマスも悪くありませんが、イタリアのクリスマスは人の温かさを感じさせてくれます。
さて、その時期のイタリア家庭の食卓はというと、日本では年始はおせち、雑煮ですね。イタリアのクリスマスや大晦日に欠かせない食材と言えば、Zamponeザンポーネです。これは様々な部位の豚肉や脂を細かくして混ぜて豚足に詰めたモノです。同じように腸詰めしたコテキーノというモノもあります。 最近ではレトルトパックでも売られていますが、本格的なドライタイプも売られています。まず、12/30から一日水につけて皮をふやかせて、翌31日にボイルします。ボイル時間も5、6時間です。そして、このザンポーネを食べる時に無くてはならない食材がひとつあります。それはレンズ豆です。昔からイタリアでは、レンズ豆は大晦日に食べるとお金持ちになれるという言い伝えがあり、縁起のよい食べ物とされています。このレンズ豆も乾燥モノを使用しますので、一晩水に浸して戻します。そして、セロリ、たまねぎ、にんじんをよく炒めて、少量の赤ワインとブロードで煮るのです。最後に少しとろみをつけるため小麦粉を入れます。仕上げに塩・コショウをして出来上がり。スライスしたザンポーネに添えて、年越し蕎麦ならぬ年越しザンポーネの出来上がりです。
しかし、おせちほどではないにせよ、かなり手間隙のかかる一品です。
お金持ちになるのも簡単ではありませんね。
皆さんも機会がありましたらザンポーネに挑戦してみてください。
では今回はこのあたりで。
<ミラノオフィス 本田 順哉>