皆さん、Buongiorno!
ミラノはかなり寒くなり、街行く人は皆、厚手のコートに身を包んでいます。
さて、今回は冬のワインイベント『Merano Wine Festival』について皆様にお話したいと思います。
MeranoとはTrentino- Alto Adige州にある町で、同州の州都であるBolzanoから北に車で1時間弱走ったところにある小さな町です。Bolzanoのあたりまで来ると、もともとオーストリア領であったこともあり、標識にはイタリア語とドイツ語の両方が表記されています。
景色も他のイタリアの州とはガラっと変わり、高い山々に囲まれた南チロル独特の景色が広がっています。私が訪れた時期のMeranoは紅葉が非常に綺麗に見られ、透き通った空気が印象的でした。
この町はTerme(温泉)でも有名な町で、ところどころに温泉施設も見られます。
その山間の小さな町で、イタリアのワイン愛好家が毎年待ち望んでいるワインフェスティバルが開かれます。
このワインフェスティバルは2010年で16回目を数えます。Gourmet`s Internationalという団体が1992年からMeranoを中心にイタリアの高品質なワインをセレクション、独自に採点し、ワインガイドブックとして発刊していた活動が始まりとなっています。
毎年、11月に4日間開催され、イタリアや近隣のヨーロッパ諸国からワイン愛好家が集まります。この期間は、どこのホテル、レストランも一杯になります。
彼らの採点の中で、86〜100ポイントを獲得したワイナリーだけがこのワインイベントに参加できるという、参加する側としても非常に敷居の高いイベントです。
しかし、試飲する側としてはそれだけ品質の高いワイナリーばかり集まる試飲会という夢のようなワインイベントです。
日本でもよく知られているVinitalyよりも規模は遥かに小さくなりますが、その内容の濃さはVinitalyにも負けていないでしょう。
私も今年は2日間参加し、計310種のワインをテイスティングしました。それでも3分の1にも達していないと思います。全て飲むとなるとかなりの覚悟が必要になります。
この2日間は毎日イベントが終わるとクタクタになり、赤ワインのおかげで歯も紫色になりますが非常に充実した2日間でした。
Trentino-Alto Adige州では景色や言葉だけではなく、郷土料理もイタリアの他の州とは異なる文化が残っています。
まず、忘れてはならないのがCanederli(カネーデルリ:パンの団子)です。これは、余ったパンを粉状にして団子にしたものです。チーズやスペック、ほうれん草など具材には様々なものが使われます。メインの肉料理と一緒に出てくる場合もありますが、ブロードに浮かべられ、単品で食べる食べ方も一般的です。
メインの肉料理で有名なのはWurstel(ウィンナー)とStinco(牛のすね肉)のローストです。素材そのままの味わいですが、ジューシーで美味しく食べられます。
ドルチェはStrudel(リンゴのパイ)が有名です。Trentino-Alto Adige州は高品質な白ワインを造ることで知られていますが、それと同じくらい美味しいリンゴの産地としても知られています。高速を走っていると一面にリンゴ畑が見られますので、リンゴの一大生産地であることがよく分かります。
Trentino-Alto Adige州はオーストリアに近いこともあり、ワインと同じくらいビールも好まれます。中でも有名な銘柄がForstといい、Meranoの町にもその名前を看板に掲げたお店がいくつもあります。
今回、私は食事を通してTrentino-Alto Adige州一番の雄、San Michele Appiano社のワインを合わせました。Canederliにはフルーティーでいて酸味もしっかりとしたPinot Grigio、Stincoの香ばしさには味わいのしっかりとしたLagreinといった組み合わせです。
イタリア旅行を計画している時にはあまり名前が挙がってこないTrentino Alto Adige州ですが、少し足を伸ばし、イタリアのまた違った景色や文化を楽しむのもいいかもしれません。
では、今回はこの辺りで!
Buon natale a tutti!
<モンテ物産 ミラノオフィス 稲田 俊介>