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2011 秋号天高く馬食べる秋

皆さん、Buongiorno!

今年のミラノの夏は前半、非常に涼しく感じましたが、後半は前半の遅れを取り戻すかのように暑くなりました。まだまだ暑い日が続きそうです。 しかし、バカンスを終えた人々も街に戻り、ようやく活気が出てきています。 さて、夏を終え実りの秋が近付いてきました。
この時期は、イタリアも空は広く澄み渡り、美味しい食材の豊富な、まさに『天高く馬肥ゆる秋』という諺がぴったりな時期になります。今回は、諺にも出てくる馬の食文化について触れてみたいと思います。

イタリアの馬肉文化

イタリアにおいて、馬肉というのは比較的身近なお肉料理の一種です。
また、北から南、そしてサルデーニャ島やシチリア島などイタリアの様々な地域においてよく食べられます。
生のまま食べたり、シンプルにグリルしたり、乾燥させて細切りジャーキーのようにするなど、その食べ方は多岐にわたります。
ある生ハムメーカーの担当者と食事をしていた際、『昔は戦争時の主な移動手段は馬だった。そのため戦争中は重宝されるのだが、いざ戦争が終わると今度は馬の処理に困り、食用とするしかなかったため、各地で馬肉を食べる文化が根付いていった』という話を聞きました。
この話を聞いた時、馬肉料理が残る背景には悲しい歴史もあるのだと感じました。

では、私の好きなイタリアの馬肉料理についてご紹介したいと思います。

様々な馬肉料理

私が最近パルマに行ったら必ず食べるのが、『馬肉パニーノ』です。
パルマ出身のイタリア人に教えてもらったのですが、地元の人にしか分からないような路地裏に小さな店があります。
私が行ったのは昼時だったのですが、超満員でオーダーするだけでも15分以上待ちました。
この店の名物はパニーノです。サルシッチャやサラミなどスタンダードなものもあるのですが、一番人気はやはり馬肉パニーノです。
生の馬肉をパンに挟み、マヨネーズやケチャップで味付けしています。このパニーノとグラス一杯の微発泡赤ワイン、ランブルスコを飲みながら食べるのがパルマっ子の粋な食べ方です。
生の馬肉ということで恐る恐る食べたのですが、本当に新鮮なお肉で臭みも無く、クセになります。 パルマでは、毎週土曜日に馬肉を食べる風習が残っています。
このパニーノを食べるまで、パルマといえば生ハムやサラミのイメージが強かっただけに、この馬肉料理は印象に残りました。

さて、次は少し北上してヴェネト州ヴェローナの馬肉料理についてご紹介したいと思います。ヴェローナでは馬肉を乾燥させて食べるSfilacci di Cavalloという細切りの馬肉ジャーキーがあります。また、馬肉を赤ワインでしっかりと煮込んだ料理もあり、これはヴァルポリチェッラなどの地元の赤ワインで煮込まれていますので、ワインとの相性は抜群です。かなり食べ応えのある料理で、食べ終えた後には達成感も味わえるヴェローナの伝統料理です。 では、次に是非馬肉料理と合わせていただきたいワインをご紹介したいと思います。

馬肉料理と合うワイン

先に述べたとおり、馬肉料理といってもパニーノにするなど様々な調理方法があり、それぞれに合うワインというのは異なります。今回は『馬肉の赤ワイン煮込み』によく合うワインをご紹介したいと思います。

弊社はヴェネト州のワイナリーBERTANI社(ベルターニ社)のワインを日本へ輸入しています。
イタリアワインの女王と呼ばれるアマローネというワインがあります。これは、ブドウを収穫してから陰干しし、その陰干ししたブドウからワインを造るという非常に手間のかかるワインです。BERTANI社(ベルターニ社)では、今ほどこのアマローネが世界的に知られていない時期からアマローネを造っており、アマローネの先駆者ともいえる存在です。また、同社のセッコ・ベルターニというワインはイタリアから初めて海外に輸出されたワインとしても有名です。
さて、このセッコ・ベルターニというワインにはリパッソという製法が使われています。これは、アマローネを造るのに使われた陰干しブドウの搾りかすをワイン発酵時に加えるという製法です。そのため、アマローネと同様の味わいも感じられるお得なワインともいえます。このセッコ・ベルターニはしっかりとした味わいでありながら、アマローネのエレガントさも持ち合わせるワインであり、馬肉の赤ワイン煮込みにも負けず、非常に良く合います。

イタリアで馬肉料理を見かけられたら是非に挑戦してみてください。
イタリアの新しい肉文化と出会えるかもしれません。
では、Buon appetito!

モンテ物産株式会社 ミラノオフィス
稲田 俊介

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