ときおり冷たい風が吹き、日が暮れるのもずいぶんと早くなったミラノの街。
太陽が強く照らす夏に比べると、ちょっと寂しい気持ちになりますが、
イタリアの秋にはとても魅力的な食べ物があります。
−その代表ともいえるのがTARTUFOトリュフ。
今回は週末にピエモンテ州アルバのトリュフ祭りに行ってきた様子をお届けします。
“アルバ”と聞いてご存知の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ピエモンテ州の州都トリノの南、ランゲ地方に位置し、バローロやバルバレスコといった
名だたるワイン名醸地に囲まれたグルメあこがれの街です。
人口3万人のアルバに、この時期たくさんの観光客が押し寄せます。
それは、白トリュフのお祭りがあるからです。
私もイタリア駐在になるまで長年、行きたい、行きたいと願っていたアルバトリュフ祭り。
2013年秋、念願叶って訪れることができました。
ミラノの街から車で1時間半。
早朝から多くの観光客が白トリュフを求め、
小さなアルバの街に集まっていました。
このアルバトリュフ祭り、スタートの年は1928年。
今年で83回目となります(途中戦争のため中止)。
過去にはイタリア国王やソフィア・ローレン、アルフレッド・ヒッチコックといった
映画界の著名人も訪れた有名なお祭りです。
今年2013年は10月12日(土)〜11月17日(日)の
毎週土曜、日曜に開催しています。
街にはいたるところに屋台ができ、
中世の衣装をまとった街の若者が楽しそうに歩いています。
また、あちこちに掲げられた“トリュフキング”というおじさんのポスター。
調べてみると、彼は世界にアルバ産白トリュフの
ブランドを広めたホテル・レストランの
オーナーGiacomo Morraジャコモ・モッラさん(1989-1963)という方でした。
ちなみに、私たちが訪問した土曜日午前中〜15時は街全体がまだまだ準備中の雰囲気。
観光客がすでに一杯のお昼時に、まだのんびりと屋台の装飾。
さすがイタリアだなと思いました。
行かれるなら土曜日夕方〜夜か、日曜日をおすすめします。
街の中に白トリュフの見本市を行っている会場があります。
入り口付近はトリュフの香りを求めて並ぶ人の列。
私たちは、グラスワイン2杯付きの10ユーロチケットを購入し、いざ会場へ。
会場内は熱気むんむん、各々のブースでトリュフ業者が
自慢の白トリュフを熱心にアピールしています。
ワインコーナーでは、地元ピエモンテ産のワインを飲むことができ、
それに合わせたトリュフ料理も販売されていました。
中央には、トリュフ鑑定人がいて、
持ち込まれた白トリュフの香りを嗅いで、品質を見極めています。
白トリュフの購入には手が出ませんでしたが、
会場いっぱいに広がる白トリュフの香りに幸せを感じました。
ピエモンテのレストランでは、この時期白トリュフをふんだんにかけた、
素晴らしい郷土料理に出会うことができます。もちろん金額は高いですが。
しかし、その芳潤な香りと各々の郷土料理との相性の良さを感じながら、
バローロ、バルバレスコなどの赤ワインとともにゆっくりと堪能。心に残る食事となりました。
10月、11月に北イタリアを訪問される方は、是非アルバの街を訪問されることをおすすめします。
それでは、また。皆さまイタリア食材とともに素敵な秋を Buon autunno !
モンテ物産 ミラノオフィス
三笘 悟