トレンティーノ・アルト・アディジェ州 ボルツァーノ県 アッピアーノ
1907年
白ワインの産地として名高い、イタリア北部のアルト・アディジェ州。イタリア屈指の“ビアンキスタ”(白ワイン専門家)の醸造家、ハンス・テルツァー氏が腕をふるうこのワイナリーはカンティーナ・ソチャーレ(醸造協同組合)ながら、イタリアのワインガイドブック「ヴィーニ・ディ・イタリア」2000年版で、「最優秀ワイナリー」に選ばれたほどの実力を持つワイナリーです。
アルプスの麓に広がるブドウ畑
エノロゴ(醸造責任者) ハンス・テルツァー氏
サン・ミケーレ・アッピアーノ社を率いる3人。左から、ハンス氏、業務執行取締役 ギュンター・ノイマイヤー氏、会長/協同組合の代表 アントン・ツーブラシンク氏
醸造家のハンス・テルツァー氏は、南チロル(アルト・アディジェ県の別名)における特に優れた白ワインを造る醸造家として世界的に有名で、世界の醸造家ベスト10に選ばれた実力の持ち主です。
同社を代表するトップのシリーズが「サンクト・ヴァレンティン」です。
この名前は1986年にシリーズ初のワインが誕生した畑のあるサンクト・ヴァレンティン城に由来します。ファースト・ヴィンテージの1986年は、シャルドネ、ピノ・グリージオ、ゲヴュルツトラミネールの3品種で生産量は3種類あわせてわずかに6500本でした。
その後、品質も向上させつつ生産量を増やすことや他の品種もリリースすることを目的に、同社の畑のあるエリア(コルタッチャからボルツァーノまで)内でそれぞれのブドウ品種の栽培条件に合う高品質なブドウが栽培できる畑を厳選し、栽培エリアを増やしてきました。
1986年 シャルドネ、ピノ・グリージオ、ゲヴュルツトラミネールをリリース
1989年 ソーヴィニヨンとコンテスをリリース
1994年 カベルネをリリース
1995年 ピノ・ネーロをリリース
2000年 ラグレインをリリース
2001年 ピノ・ビアンコをリリース
2002年 メルローをリリース
現在は、10アイテムを生産し、合計は40万本になりました。
コンテスと赤ワイン4品で合計約5万本なので、白ワイン5種類で約85%にあたる35万本を造っています。
サンクト・ヴァレンティン・シリーズのブドウ収量は、1haあたり6500kg-7000kg(ワイン収量で4500L/ha)ピノ・ネーロの場合はもう少し収量が下がります。ブドウの樹の樹齢は一番若くて7年、最高で35年であり、畑は気候、日照条件、土壌などの条件を品種ごとに厳選されています。
そして、サンクト・ヴァレンティンシリーズの畑を持つ組合員はワイナリーから与えられる様々な要件を満たさなければなりません(例えば除草剤を使用しないなど)。テルツァー氏と彼のチームは定期的にサンクト・ヴァレンティンシリーズの畑を訪れ管理しています。ブドウの収穫時期はブドウ果を分析し、ティスティングして決められます。
健康的で新鮮なブドウであることはとても重要です。"サンクト・ヴァレンティン"シリーズに使用されるブドウは同社で造られるブドウの中でも品質が最も高く、カンティーナ内では徹底した管理の下、醸造・熟成されています。
サンクト・ヴァレンテインシリーズでは、畑、ブドウを厳選し醸造します。そして、熟成が終わった段階でタンク・樽ごとにテイスティングをし、最終的に、サンクト・ヴァレンティンの品質に適しているか判断し、適していなかった場合はセレクションシリーズに格下げされるのです。