AVIGNONESIアヴィニョネージ

中部のワイナリー
アヴィニョネージの宝石「ヴィンサント」が生まれる熟成庫ヴィンサンタイア
  • 所在地

    トスカーナ州シエナ県モンテプルチアーノ

  • 創業年

    1974年

1377年南仏アヴィニョンからローマへ教皇庁を戻したグレゴリウス11世とともにイタリアへとやってきた貴族アヴィニョネージを名前の由来にもち、
その後1974年にファルヴォ兄弟が創業したアヴィニョネージ社は、“ヴィーノ・ノービレ・ディ・モンテプルチアーノ”の造り手として名を馳せるワイナリーです。

2009年からはベルギーの法律家ヴィルジニー・サヴェリス氏がオーナーに就任。
同氏は就任直後からブドウ畑のオーガニック栽培、そして2011年からはビオディナミ栽培への転換を始めました。2019年には100%ビオディナミ栽培への移行を成し遂げ、イタリアを代表するビオディナミワイン生産者の地位をさらに確固たるものにしました。
入手が非常に難しい上質なヴィンサント“オッキオ・ディ・ペルニーチェ” やトスカーナを代表するワインである“ヴィーノ・ノービレ・ディ・モンテプルチアーノ”など、自然の力を最大限に引き出しテロワールが表れたブドウから造るワインは世界的にも高い評価を得ています。

“高貴なワイン” ヴィーノ・ノービレ・ディ・モンテプルチアーノ

アヴィニョネージ社を代表するワインの一つにヴィーノ・ノービレ・ディ・モンテプルチアーノがあります。ヴィーノは“ワイン”、ノービレとは“高貴な”を指し、『モンテプルチアーノで造られる高貴なワイン』という意味です。
モンテプルチアーノは古来よりワイン造りが行われていた土地で、8世紀後半にはすでにブドウ畑を教会へ寄進したことを示す資料が残るなど、その歴史の深さをうかがわせます。この土地で造られるワインは同時に高品質なことでも知られてきました。


16世紀中ごろローマ教皇パウルス3世のソムリエ役を勤めたサンテ・ランチェリオがモンテプルチアーノのワインを『非常にすばらしい』と称えたほか、17世紀の詩人フランチェスコ・レーディは『ワインの王』と書き残しています。


1980年ヴィーノ・ノービレ・ディ・モンテプルチアーノは同じくトスカーナのブルネッロ・ディ・モンタルチーノとともに、イタリアで初となるD.O.C.G.(統制保証原産地呼称)の認証を獲得し、イタリアのみならず、世界の名高いワインと肩を並べるに至りました。
伝統的なヴィーノ・ノービレでは補助品種を加えるのが一般的で、D,O.C.G.の規則でもサンジョヴェーゼの割合は70%以上と定められていますが、アヴィニョネージ社ではサンジョヴェーゼ100%でワインを造っています。口に含むと生き生きとした果実が感じられ、素晴らしい骨格とタンニンが心地よく、余韻にわずかに残る甘酸っぱさが特徴です。

エシカルなワイン造りを目指して:ヴィルジニー・サヴェリス氏のたゆまぬ挑戦

2009年からオーナーとなったヴィルジニー氏はベルギーのヘント出身。
法律家として大変な成功を収めていましたが、ワインへの強い情熱を追求し続け、キャリアを変更しワイン造りの道に入りました。
同氏のオーナー就任以降、アヴィニョネージ社は様々な変革を続けてきましたが、そのうちの一つにビオディナミへの挑戦があります。


ビオディナミ農法とは、オーストリアの人智学者ルドルフ・シュタイナー(1861-1925)が提唱した自然農法の一種です。シュタイナーの没後に開発された農業暦を活用し、月などの天体の動きと植物の成長との調和を慎重に観察しながら農作業を行います。また農薬や化学肥料を使わず、雌牛の角や水晶の粉などを用いたプレパラシオンという特別な調合剤を使用することなどが特徴です。
農薬や肥料などの散布により収穫物の量・質を追い求めるのではなく、動植物の活動を含めた自然の有する力やリズムを調和させることで環境を良好に整え、病害に強い土壌からより良い収穫物を得ようとする農法です。
絶え間ない土壌との対話を繰り返す必要のあるビオディナミ農法は非常に手間暇がかかりますが、土地本来の持ち味が最大限に引き出され、テロワールの特性がはっきりと感じられるワインが出来上がります。

▲上:土壌の力を回復させ、栄養を与えるために行われる『緑肥』     ▲下:プレパラシオンを作るのに使われる雌牛の角

ヴィルジニー氏の挑戦は農法の転換だけにとどまりません。アヴィニョネージ社ではエシカルなワイン造りへの取り組みの一環として、ワイナリー内で使用する電力を再生可能エネルギーでまかなうなどCO2排出の大幅な削減に努めているほか、水の再利用を行うなど環境保全にも非常に力を入れています。また地域住民とのコミュニケーションや従業員のウェルビーイングを大切にし、人を含めた環境のサステナブルな在り方を実践しています。


またアヴィニョネージ社では近年、ヴィーガン対応になるよう製法を変更しました。ワインは瓶詰前のろ過の段階で卵白を使用する場合がありますが、これを廃止しました*。
このようにアヴィニョネージ社では、よりエシカルなワインをより多くの人に届けるべく、様々な取り組みを行っています。


*ワインの熟成期間の違いにより、ヴィーガン対応になっていないヴィンテージが販売されている場合がございます。

ワイナリーとホスピタリティ

トスカーナ州南部、オルチャ渓谷とキアナ渓谷を一望する素晴らしい景観を誇るモンテプルチアーノ。糸杉に彩られたトスカーナらしいドライブウェイを抜けた先に、アヴィニョネージ社はあります。
160ha以上のビオディナミ農法で保たれた美しいブドウ畑をモンテプルチアーノやその周辺に所有しているほか、生態系や野生動物の維持に欠かせない森林、ブドウ以外の作物を栽培する畑など広大な敷地を保有しています。


ワイナリーには10年以上の期間熟成させるヴィンサントが収められたヴィンサンタイアや、その原料となるブドウを陰干しするアッパッシトイオ、ヴィーノ・ノービレ・ディ・モンテプルチアーノを熟成させる熟成庫などが併設されています。
絵画のような景観を臨みながらワインをテイスティングできるワイナリーツアーや、トスカーナの郷土料理を学ぶことのできる料理教室など、さまざまな体験を提供しています*。


*ツアーの予約などはアヴィニョネージ社HPのHospitalityのページからアクセスください(英語・イタリア語・ドイツ語のみ)

▲上:ヴィンサンタイア内でほほ笑むヴィルジニー氏(中央)        ▲下:1882年に建設されたヴィーノ・ノービレ・ディ・モンテプルチアーノの熟成庫
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