2020年10月12日(月)
料理/ワイン講習会
先日、モンテ物産主催のオンラインワイナリーツアーを開催しました。
例年であれば、お客様に現地のワイナリーを実際に訪問していただいたり、生産者が来日しセミナーを行うなどの機会が当たり前のようにありましたが、未曾有のコロナ禍によってイタリアと日本の往来そのものができなくなってしまっている状況。
そのような制限のある中でも、少しでも生産者とコミュニケーションをとり、彼らのワイン造りのこだわりや常に革新を続ける生産者たちの最新情報をお客様に知っていただけるようにと企画したのが、このオンラインツアーです。
今回オンラインで繋いだのは、ちょうどブドウの収穫時期を迎えていた、マルケ州のウマニ・ロンキ社。当日ウマニ・ロンキ社からはミケーレ社長と、エキスポートマネージャーのジャコモさんが参加。
また、モンテ物産ミラノオフィスのスタッフが当日メーカーを訪問し、現地で実際に通訳等を行いながら生中継をサポートしました。
オンラインツアーは、コーネロ地区の自社畑に待機していたミケーレ社長とのライブ中継でスタート。
ロッソ・コーネロの由来となったコーネロ山を映し出したり、現地の風の音が聞こえるなど、臨場感を味わっていただきながら、コーネロ地区やこの畑で栽培されているモンテプルチアーノ種の特徴を解説。
▲ミケーレ社長
このエリアでは同社のトップレンジの赤ワイン“クマロ”と“カンポ・サン・ジョルジョ”に使われるブドウを栽培していますが、コーネロエリア内でも、実はワインによって収穫されるブドウ畑が異なります。
それぞれの畑は道を挟んで隣り合わせになっていますが、9月末のこの日、クマロ用のブドウは既に収穫済みだったのに対し、カンポ・サン・ジョルジョ用のブドウは収穫ピークまであと数日控えた状態。
畑が隣接していても、ワインごとにブドウの収穫時期が微妙に異なるという様子も、リアルタイムに現地とオンラインで繋がったからこそわかる気づきのひとつでした。
さらに、それぞれのブドウ畑の仕立てや特徴の違いを見せたり、収穫期を迎えようとしているモンテプルチアーノの房を見ながら、完熟の証の見分け方なども説明していくミケーレ社長。
日本で行われるセミナーだけではご紹介しきれない、より具体的な話を視覚的にお伝えできることがオンラインツアーの醍醐味です。
▲茎を見ることで収穫期を見分ける目安の一つになるのだという
その後、カメラは熟成庫に併設しているテイスティングルームに移動しました。
今回のテイスティングアイテムは”クマロ”と、同社にとってもう一つの重要な品種であるヴェルディッキオから生まれるワイン、”カサル・ディ・セッラ”。
参加者の方も同時にテイスティングしていただき、ジャコモさんが解説しました。
繊細でフレッシュ感溢れる味わいの“カサル・ディ・セッラ”ですが、ジャコモさんはヴェルディッキオのもつ熟成ポテンシャルも強調。10~15年熟成の時間経過を楽しんでほしいとのことです。
また”クマロ”は、比較的涼しいエリア(コーネロ)で造られたモンテプルチアーノが用いられることによるエレガントさと、畑からわずか約6km先にある海からもたらされるミネラル感がよく表現されている点などをワインの特徴として説明していました。
▲“カサル・ディ・セッラ”(左)と“クマロ”
▲エキスポートマネージャーのジャコモさん
▲テイスティングルームに併設している、セラーの様子も同時に配信
最後は質疑応答の時間で、参加者の方から直接ミケーレ社長に質問していただき、約1時間のオンラインツアーは終了しました。
オンラインツアーはモンテ物産としても新しい試みですが、お客様が実際に生産者の顔を見てコミュニケーションをとれる機会や、「このワイナリーを実際に見にいきたい!」と将来の楽しみとしてもらえるようなきっかけを、少しでも作っていきたいと考えています。今後も試行錯誤をしつつ、時流にあわせたイベントを企画予定です。
▲参加者の方と直接やりとりをして、「アリガトウ!」と嬉しそうなミケーレ社長とジャコモさん