マンチーニ社 原料小麦から栽培する稀有な作り手
イタリア、マルケ州モンテ・サンピエトランジェリに広がる小麦畑。その畑の中心に工場を構えるマンチーニ社は、自社栽培する小麦だけを使用したパスタを作っています。
オーナーであるマンチーニ家は代々小麦生産農家で、現オーナーマッシモ氏の祖父マリアーノ氏は、硬質小麦の栽培・販売を行っていました。栄養豊富で風味豊かなパスタを作るため、納得のいく小麦を自分たちで栽培し、その小麦だけでパスタを作ることを決意したマンチーニ家は、研究と工夫を重ね沢山のこだわりが詰まったパスタ「マンチーニ」を誕生させました。
自社栽培する小麦だけを使用した、マルケ州産小麦100%の「マンチーニ」には、厳選された小麦がもつ豊かな風味と栄養がパスタに閉じ込められています。 そして、その味と品質は多くの人々を魅了し、数多くの星付きレストランで愛用されています。
【料理通信掲載 マンチーニでつくるプレミアムレシピ】
大学で農学を学んだマッシモ氏は原料小麦に焦点を当て、祖父マリアーノ氏の教えを受け継ぎながらデュラム小麦の研究を重ね、厳選された品種をブレンドしています。良質なグルテン、豊富なプロテイン、高い比重量(粒の大きさに対する重さの割合)、濃い黄色の色調などの特徴を持つ品種を中心に厳しい管理のもとで栽培された小麦をブレンドすることで、モチモチとした食感が特徴の「マンチーニ」が生み出されます。
6月~7月の収穫時になると、麦の穂は地面ぎりぎりまでその重みでしなり、傾斜地を力強くぎっしりと埋め尽くします。そして収穫機の音が鳴り響き収穫がスタートすると、黄金色の麦がはじけ飛び、土の芳しい香りが広がります。
収穫時の健康な状態をそのまま保つため、小麦の保管時にも重要な工夫がされています。 収穫後、小麦は横長の白いサイロバッグに入れられ、平らに並べて保管されます。袋いっぱいに入れられた小麦は、空気を通さないこのバッグの中でわずかに残った酸素を吸収し、二酸化炭素を発生させます。この状態が小麦に害を与える物質の形成をおさえるため、化学物質を使用せず に保管が可能となっています。
さらに、小麦栽培の土台となる畑にも管理が欠かせません。栄養を与え切った畑は、翌年ヒマワリや豆類が栽培され、そして再び小麦栽培にふさわしい肥沃な土地へと蘇っていきます。
小麦の要素をそのままパスタに封じ込めるため、成型から乾燥時においてもこだわりの手法が用いられます。太さが特徴的なロングパスタは、その太さによって味と食感が安定し、香り高いパスタへと仕上がります。そしてブロンズダイスを通って成型された後、乾燥温度を約45℃におさえ38~44時間かけた「低温長時間乾燥」で製造されていきます※。この方法が小麦の味わいと香りを残し、さらにコシの強さをもたらしてくれるのです。
※ショートパスタは約55℃におさえ約1日かけて乾燥。
マンチーニ社では、これらの工程はベテランのパスタ職人(イタリア語でパスタイオ)によって管理されています。見事な黄金色のパスタに姿を変えた小麦は、ほぼ手作業で大切にパッケージングされていきます。
口にした瞬間広がる小麦の味と香り、そして食べ応えのあるモチモチした食感。
イタリアの三ツ星レストランである「Piazza Duomo」、「Dal Pescatore」、「Enoteca Pinchiorri」、「Da Vittorio」、「Reale」の5店で採用され、そのほかにもイタリア国内だけで50店をゆうに超える数多くの星付きレストランが愛用するマンチーニ社のパスタは、代々続く小麦生産農家が何よりも原料小麦にこだわって作り出す傑作なのです。
※2022年1月時点