• ホーム
  • イタリア情報
  • ジョルジョ・リヴェッティが蘇らせた 老舗のスプマンテ・メーカー "コントラット"

2016年08月 1日(月)

ワイン

ジョルジョ・リヴェッティが蘇らせた 老舗のスプマンテ・メーカー "コントラット"


 



以前のVENTOでバローロ・ボーイズの雄、ラ・スピネッタ社について書いたが、今回は同社のオーナーでありエノロゴ(醸造責任者)であるジョルジョ・リヴェッティさんが所有する、コントラット社にスポットを当てたい。



コントラット社は、ピエモンテ州のバルバレスコDOCGエリアから東に約10kmほど離れたカネッリという村の中にある、1867年創業の老舗ワイナリーだ。昔は赤ワインも造っていたが、今ではスプマンテ(イタリアのスパークリングワイン)のみを製造している。



 



ジョルジョさんが同社の説明をしてくれた。



「コントラット社はイタリアだけではなく、世界的にも非常に重要な名門ワイナリーだよ。1919年にイタリアで初めてミッレジマート(ミレジム=ヴィンテージ入り)のメトド・クラッシコ(シャンパーニュと同じ瓶内二次発酵による製法)スプマンテを造った。当時は世界的に主流であった糖分が残ったやや甘口のスパークリングワインを横目に、コントラット社の辛口スプマンテはイギリス王室を筆頭にイギリス人たちに飛ぶように売れた。ただ他の国ではまだ慣れ親しんだ甘みのあるスパークリングが売れていたので、辛口のスプマンテは“For England(フォー・イングランド)”と名付けたんだ(1930年がファーストヴィンテージ)。その後、イギリスの植民地だった各国の王室や上流階級の間にもコントラット社の商品は広まっていき、サヴォイア王家やバチカン御用達になったという輝かしい歴史があるんだ。」



gate.jpginnercourtyard.jpg



corridor.jpgceller.jpg



▲(左上)コントラット社正面ゲート (右上)中庭



(左下)中廊下(右下)建物は往年の栄華を偲ばせる美しいヴィッラだが、地下にはカテドラル(大聖堂)セラーと呼ばれる熟成庫が広がる。



 



 



ジョルジョさんにコントラット社の特徴と魅力について聞いてみた。



「まずはコントラット社と私の関係を説明しようか。私はコントラット社を2011年に買い取ったのだが、実は2007年からすでに“こっそりと”製造に携わっていたんだ。私は大のシャンパーニュ好きで、コントラット社のスプマンテの品質の高さも知っていた。ちょうど買い手を探しているというのを知り、迷わず手を挙げたんだ。ラ・スピネッタ社はコントラット社から10kmほどしか離れていないので、同じエリアでこんなに素晴らしい名門に巡り合えるなんて私は幸運だったよ。私はどうすれば最高のブドウができるのかを良く知っている。スプマンテでも普通のワインでも、元のブドウの良さが高品質のカギだ。以前は18カ月シュール・リー(澱とともに寝かせる)のものもあったが、今では最低でも30カ月に変えている。ブドウの質が高くないと長期間のシュール・リーは悪い結果をもたらすこともあるのだが、もちろんそんなことにはならない。香りにも味にも複雑さが増して、より深みのある味わいになったよ。短期間ですでにこれだけの改善ができているのだから、今後はさらに期待していてくれよ!これは私のシャンパーニュへの挑戦なんだ!」



あれだけ高品質のワインをラ・スピネッタ社ですでに実現しているジョルジョさんが言うと、説得力がある。



「それともう一つ、コントラット社の大きな特徴は、いくつかのヴィンテージを混ぜた“NV=ノンヴィンテージ”は造らないことだ。私は各ヴィンテージのキャラクターを表現したいんだ。“悪い年、オフヴィンテージ”なんてものは私には関係ない。そう言われる年は私にとっては“より手間がかかる年だった”というだけで、畑仕事の仕方を間違わなければ必ずいいワインができるんだ。」



 



rivetti-siblings.jpg



▲コントラットのオーナー、リヴェッティ兄弟 右端がジョルジョさん。



 



1Rhino on glass door.jpgbottleneck.jpg



▲ジョルジョさんの造るワインのシンボル Aデューラーの”サイ“ コントラットのボトルの裏にもいます。



 



バローロ、バルバレスコのカリスマ的存在でありながら、あくまでも自分は一人の農民だと言い続けるジョルジョさんらしい発言だ。



「私の辞書に“十分に美味しい”という言葉は無い。満足してしまったらもうそれ以上のものは造れないからだ。美味しいものができても、もっと美味しくするにはどうすればいいだろうか、と常に考えて動き続けているんだよ。とは言え、すでに同価格帯のシャンパーニュには負けない味わいだと自負しているから、まずはシャンパーニュが世界の最高峰だなんていう先入観を捨てて、我々のスプマンテを飲んでみるといい。そしてできれば様々なシャンパーニュと飲み比べてみていただきたい。」



コントラット社のスプマンテは、ベースとなる“ミッレジマート・エクストラ・ブリュット”を飲めばレベルの高さがすぐにわかる。よりドライな味わいがお好みならパ・ドゼ(ドサージュをしない)の“フォー・イングランド”や“ブラン・ド・ブラン”を試してみてほしい。



今年の夏は、ちょっと贅沢な飲み比べをしてみてはいかがだろうか?



bottles.jpg



▲左から ミッレジマート、“フォー・イングランド” ブラン・ド・ノワール、“フォー・イングランド・ロゼ、ブラン・ド・ブラン



 



Leonetto Capiello frei high resolution.jpg



▲コントラットのシンボル シャンパングラスをもって踊る女性。



ベルエポックの時代に活躍したイタリア人デザイナー、レオネット・カピエッロのデザイン



 



VENTOの記事は『イタリア好き』にも連載されています。 ↓↓↓



『イタリア好き』って?



人が好き、旅が好き、出会いが好き、食べることが好き、愛することが好き、楽しいことが好き、そして何よりもイタリアが好き。

そんな人に送る、イタリア好きのためのフリーマガジンが『イタリア好き』です。



http://italiazuki.com/category/vento/


 
 

カテゴリーを選ぶ

過去のVENTO2003~2013年までのバックナンバーはこちら