2016年11月 1日(火)
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11月1日は、諸聖人の日(Ognissanti) - 全ての聖人の日でイタリアの祝祭日です。
聖人と言われましても、日本ではあまりなじみのない言葉ですね。キリスト教、特にカトリックにおいては、聖書の登場人物、殉教者達を聖人として崇敬します。
2005年に亡くなられたローマ教皇ヨハネ・パウロ2世も在位中から大変信徒に慕われており、死後わずか9年で聖人の称号が与えられました。
カトリック教会では教会暦(典礼暦)の他に、聖人カレンダーがあり、ほぼ毎日その日に亡くなった聖人を敬います。
またイタリアの各都市には守護聖人がおり、その都市の一教会に祭られています。例えば、ミラノの守護聖人は聖アンブロジオ司教教会博士で、生前彼は温かい人柄で学識が大変深く熱心に信仰教育を行ったと伝えられており、12月7日は聖アンブロジオの日とされ、ミラノでは休日になります。
▲サンタンブロジオ聖堂
またイタリアでは子供に名前をつける時、よく聖人の名をつけますが、熱心な信徒である家族は、その子供の誕生日の他に、ちなんでつけた名前の聖人の日もお祝いします。
翌11月2日(Commemorazione dei defunti, La festa dei morti)は死者の日で、亡くなった方を弔う日です。国の休日ではありませんが、地域によっては会社、学校をお休みにするところもあり、1日は教会に行き、2日は日本で言うところのお盆のようにお墓参りをします。イタリアのお墓、どのような花を供えるのか、亡くなった時に贈る花について書きたいと思います。
-お墓
一般的には土葬。日本のようなお墓もありますが、多くは一人一人の棺桶がコインロッカーのようにびっしりと壁に並んでいます。
火葬も認められていて、年々増加傾向にあるとのことです。(ミラノはほぼ半数が火葬)貴族の家のお墓などは小聖堂が建っていることもあります。
▲イタリアの墓地
-お墓に供える花(日本では菊や百合が多いですね)
1. 決まりごと:ある地域では、お墓に備える花は造花を禁止しているところもあります。供える花は、墓の足元に置かないこと。
2. 花の種類
わすれな草(nontiscordardime:Non ti scordar di me イタリア語でそのまま「私を忘れないで」の意です。)
白いばら)(rosa bianca)
ケマンソウ(cuore sanguinante)
ひまわり(girasole)
フランス菊(margherite)
プルメリア(plumeria)
キンセンカ(calendula)など。
-亡くなった時に贈る花
ヒヤシンス(紫)
アヤメ
黄水仙
ポピー(白)
ヒャクニチソウ(黄)
バラなど。
亡くなったときに贈る花は、日本では、白い花を贈ったり供えたりすることが多く、供花の色合いが増すのはお墓参りの時ですね。
イタリアはその点カラフルで、思いを象徴する色を使うことで、それぞれの哀悼の意を表します。