2016年02月 2日(火)
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モンテ物産ミラノ事務所のsatosaeです。
日本ではようやく冬らしい寒さになり、大雪が降られたようですね。風邪など引かれませんよう、ご自愛ください。
久しぶりに日本に帰国して気づいたこと、それはマスクをしている人が多い!風邪の予防や花粉対策など、日本では一年中必須のアイテムですね。
こちらイタリアでは滅多にマスクをしている人を見ませんが、いよいよマスクをしなくてはならない時なのかもしれません。
イタリアでも大気汚染がひどくなっていて、ミラノをはじめ、トリノ、ローマ、ナポリなど既に交通規制が始められています!
特に冬は乾燥して雨が降らないと、大気中の浮遊粒子状物質が増え、スモッグが発生し健康に悪影響を与えています。
▲ スモッグが覆っているミラノの景色
ミラノでは、去年の12/28から30の三日間、午前10時から午後4時迄、私用車の運転が禁止されました。ローマでもナンバープレートの奇数・偶数で通行を制限したそうです。
どの位の汚染段階かと申しますと、「PM10」という微粒子物質(直径10マイクロメートル以下)が大気一立方メートル当たり50マイクログラムを超えると注意喚起が出されます。
ミラノでは100マイクログラム前後、ちなみにインドでは2013年2000マイクログラム近くが記録されていて、比ではありませんが、夏冬のPM10の一日の平均値はしばしば最大許容値を超えているとのことです。
日本では「PM2.5」の方が一般的で、さらに小さい微小粒子物質(直径2.5マイクロメートル以下)で汚染観測の値としていますが、例えば去年のクリスマス、北京へのフライトがPM2.5による視界不良で200本以上キャンセルされた、と報道されていました。
そして思い出されるのが、去年EXPOで日本館の次に人気の高かったイタリア館。
実は、こちらの建物、イタリアのセメント大手Italcementi社が開発した新しい素材、光触媒素材を使用しており、表面に日光が当たると、大気中の一酸化窒素や窒素酸化物を吸収し、不活性塩に変えるという素晴らしい建物だったのです!
写真で見ると、白いクモの巣のようなカバーの奥の部分に当たります。
▲ ミラノEXPO イタリア館
イタリアの各都市にある教会はもともと真っ白なものが多いのに、黒く汚れてしまっているのはスモッグが原因。この素材はバチカンのローマ法王庁がキリスト生誕2000年を記念して、大気汚染にさらされても白いままの教会を設計したいという要望から、開発されたもの。また同じ素材の屋根に取り付けられたガラスでは発電も行われていました。
地球に優しく、個人でできることは、ありきたりですが、まず車を使わないようにすること、煙草を吸わないようにすることなどからでしょうかね。
今日ミラノでは20日以上ぶりに雨が降りました。ミラネーゼ風に言うと、「あぁ、これでやっと空気が洗われるわね。」です。
それでは、また。