2019年04月19日(金)

フード

ナポリの伝統的なパスクアの食べ物『カザティエッロ(CASATIELLO)』

イタリアでは、日本よりひと足早くPasquaパスクア(復活祭)の大型連休が始まります。


パスクアと言われても日本人はあまりピンと来ないかと思いますが、十字架にかけられて処刑されたキリストが3日後に復活したことを祝う日で、イタリア人にとってはナターレ(クリスマス)と同じくらい重要な大イベントです。


今回はパスクアの時期にナポリの家庭で作られる「カザティエッロ(CASATIELLO)」と呼ばれる、卵が丸ごとのったリング状のお惣菜パンを特集します。


材料は、小麦粉にサラミナポリやペコリーノチーズ、プロヴォローネチーズ、オリーブオイルなど。
今回はオリーブオイルを使っていますが、本来ならばストゥルット(STRUTTO)と呼ばれる、イタリアでは馴染み深いラードを使うとより美味しく出来ます!


作り方は意外にシンプル。
まず、すりおろしたペコリーノチーズを練りこんだパン生地をホームベーカリーで発酵させます。


発酵させた生地を広げてナポリサラミとプロヴォローネチーズ(セミハードタイプのチーズ)の角切りを敷き詰め、その上から粉状のペコリーノチーズをふりかけクルクルと巻き、それをリング状につなげます。

 
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▲カザティエッロの材料

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▲遠慮なく、ぎっしり敷き詰めるのが美味しくなるポイントです。

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▲具材を敷き詰めた生地をくるくると丸めたあと

 

そしてリング状にして2次発酵させた生地の上に生卵を丸ごと乗せて、オーブンで焼いたら出来上がり。
たっぷり入ったチーズとサラミ、そして卵と、大胆な見た目と味わいのボリューミーさがナポリらしさを感じさせてくれる一品です。

 
   
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▲焼きあがったカザティエッロ

 

カザティエッロはなんといっても「卵が殻ごと乗っている」というかなりインパクトのある見た目が印象的ですが、卵は「キリストの復活」を意味するため、とても重要なパスクアの象徴です。


また、実はカザティエッロはパスクア当日よりも、パスクエッタ(パスクア翌日の祝日)で食べることが多いのだとか。
パスクアの日は一日中料理を作り続けるのでマンマ(お母さん)は大忙し。
少し日持ちするこのカザティエッロをパスクアの前日に作り置きしておき、パスクエッタの日はマンマが休めるようにするのだそうです。
(ちなみにパスクエッタはピクニックに行くことが定番で、そのときにお弁当代わりに持っていくことも多いそうです!)


カザティエッロは1日~2日寝かせたほうがサラミやチーズの味がパンになじむので、もしご家庭で作られた際には数日経ってから温めなおして食べるのもおすすめです。


ぜひ、イタリア流のパスクアを体験してみてはいかがでしょうか?
Buona Pasqua!


※カザティエッロの食べ方や作り方は諸説あります。

 

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