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2017年04月 4日(火)

フード

本場ナポリでピッツァ職人に愛される  ピッツァ用小麦粉のトップブランド「カプート」


ナポリピッツァは日本でも今やイタリア料理を代表する食事のひとつ。



発酵した生地を、中心は薄く伸ばし、外側はコルニチョーネ(=額縁)と呼ばれる部分を残して高く焼きあげる。



ナポリ人達はこのピッツァを”芸術”と表現する。当然こだわりも並大抵ではない。



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そんなこだわりの本場ナポリのピッツァ業界において、ピッツァ粉ブランドとして圧倒的な知名度とシェアを誇るのがカプート社だ。創業は1924年。



 



 「ナポリピッツァは今や世界中で最も有名なイタリア料理になったんじゃないか?」そう語り出したのは、カプート社前社長で現在会長を務めるカルミネさん。葉巻をダンディに咥え、カメラを向けるとお茶目にピースをしてくれるひょうきんな一面も持っているが、語り口は情熱的で1ブランドを造り上げた会長としての凄みが垣間見える。「私達カプート社の強みは、会社がナポリの町に近いことだね。それはつまり、ピッツェリアのピッツァイオーロ(ピッツァ職人)達と関係が近いことでもあるんだ。私はカプート社は常にそうあるべきだと考えている。今でもカプート社は多くの有名ピッツァイオーロ達と深いつながりがあり、彼らの意見を常に商品に反映させているんだ。」



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▲カルミネ・カプート会長。カプート社のブランドを築いたナポリの名士。ひょうきんな一面もみせてくれる。



 



カルミネさんは現在でもカプート社の原料小麦の調達を管理している。



 「カプート社は原料小麦の調達に特に強いこだわりがある。小麦とひとくちに言っても、灰分やプロテイン含有量、水分吸収率などが細かく違う。まず品質の高い原料小麦を調達することが最も重要なんだ。」



 「このために、私達は農業協同組合と協力して、”カンポ・カプート”というプロジェクトをスタートさせた。カンポはイタリア語で”畑”のこと。カプート社専用畑、とでも言うのかな。農業協同組合に私達が理想とする原料小麦を作ってもらっているんだよ。」



 



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▲カンポ・カプートで小麦を前に契約書にサインをしているアンティモ・カプート社長(右)



 



カプート社のこだわりはこれだけにとどまらない。



 「1種類だけで理想の原料小麦というものは存在しない。だから色々な小麦をブレンドして製粉することで、理想のピッツァ粉を作り上げるんだ。」



 「ブレンドの仕方もカプート社のこだわりだね。私達は原料小麦を混ぜ合わせてから製粉、という方法をとっている。普通の製粉会社は、小麦ごとに製粉してから、粉をブレンドする。この方が効率はいいね。しかし産地によって小麦は特徴が違う。もし水分含有量が違えば重さが違う。粉にしたって重さは違うままだ。重さの違う粉を混ぜても均等には混ざらないんだよ。そうするとどうなるか分かるかい?ピッツァ粉ひと袋の中で品質にムラが出るんだよ。だから、私達はまず原料小麦をよく混ぜてしまってから製粉しているんだ。」



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▲小麦の製粉は粉を挽き、ふるいにかけ、を繰り返す。徐々に均一な粒度の小麦粉が製粉されていく。



「小麦を製粉する時もカプート社のこだわりがある。」カルミネさんは続けます。「私達はマチナツィオーネ・レンタと呼ぶ、伝統的な粉の挽き方をしているんだ。粉挽きの機械は2つのローラーが小麦を巻き込むように挽いていくが、このローラーは溝の付き方や回転数、プレスの強さなどの設定が肝だ。カプート社は特にゆっくりと粉が挽かれるような組み合わせの設定にしている。」



具体的には?と伺うとニヤリと「企業秘密だ。」とのお答えが。「しかし、このゆっくりとした粉の挽き方だと小麦に熱が加わらず、原料のプロテインを壊さないため製粉後の小麦粉のクオリティが高くなる、ということだ。」確かに挽きたての粉を触らせてもらったが全く熱くない。



 



 



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ナポリには本場の有名ピッツェリアがひしめき合っている。ジーノ・ソルビッロ、ダ・ミケーレ、ラ・ノティツィア、ダ・サルヴォなど…どれもカプート社の粉を愛用する有名ピッツァイオーロ達のお店で、ピッツァには特にこだわるナポリ人達がこよなく愛して通うお店ばかりだ。カプート社のこだわりがこれらのお店のピッツァの美味しさを支えているのは間違いない。日本でもカプート社のロゴがあるピッツェリアを見かけたら、ぜひ本場の味を味わってみてはいかがだろうか。



 



▲ 創業3代目に当たる、カルミネ・カプート会長(写真右)とエウジェニオ・カプートさん(写真左)のご兄弟。現在はカルミネ会長の息子のアンティモさんが社長としてマーケティングを担当、カルミネ会長は仕入れを管理、一方エウジェニオさんは息子のマウロさんとともに製造と品質保証を担当している。



 



 




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