ミラノ駐在員からの現地最新情報

2015年06月 1日(月)

ワイン

ヴェスヴィオ国立公園内にワイナリーを構える正真正銘のラクリマ・クリスティの造り手

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ラクリマ・クリスティの造り手であるデ・ファルコ・ヴィーニ社は、ナポリからほど近いヴェスヴィオ山の北西側の麓にある、サン・セバスティアーノ・アル・ヴェスヴィオという町に位置する。同社はヴェスヴィオ国立公園内にあり、ワイナリーの周辺には、美しいヴェスヴィオ山の自然と調和したブドウ畑が広がっている。(写真上:ヴェスヴィオ山の麓に広がるブドウ畑

 

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ラクリマ・クリスティDOCのエリア内に位置する同DOCの造り手としては最も有名と言えるだろう。1969年創業の家族経営ワイナリーで、2代目オーナーのガブリエーレさんから話を聞かせてもらった。

 

「自社栽培畑のブドウに加え、伝統的なラクリマ・クリスティDOCの生産エリア内にある自社所有の畑を32のブドウ農家に貸出し、その農家が育てたブドウを厳しく選別して使用しているんだ。」
聞けば各農家との契約は25年というのだから驚きだ。長きに渡る信頼関係がなければできないことだろう。
「農家からブドウを買っていると言ってもただ買っているわけではなく、品質には自信がある。というのも、ブドウ栽培のスペシャリストである農学博士が全ての畑を定期的に回って適宜対応をしているから、常に安定して良質なブドウを入手できるんだ。」
ふとガブリエーレさんが小声になった。「大きな声では言えないが、大手ワイナリーのほとんどはこのエリアに畑を持っていないから、我々のような造り手からタンクで買っていくんだ。それがラクリマ・クリスティとしてボトリングされる。一方我々は最も出来の良いブドウだけを集めてワインを造れる。ラクリマ・クリスティの専門家がエリア外のワイナリーの売っているラクリマ・クリスティより美味しいものを造れなかったらいい笑いものだよ!」おどけた調子でそう言った笑顔には、確かな自信が感じられた。

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写真左: デ・ファルコ・ヴィーニのワインラベルデザイン3種。左からラクリマ赤、白、タウラージ 

写真右: デ・ファルコ・ヴィーニのラベルのモチーフになったポンペイの古代壁画

 

実際にワインを飲んでみると、ラクリマ・クリスティ・ビアンコ(白)DOCはフレッシュかつ華やかな果実香があり、火山性土壌由来のミネラルと爽やかな酸が感じられる。すぐ近くのナポリ湾の魚介類と合わせたくなる。寿司や天ぷらと合わせるのも美味しそうだ。
ラクリマ・クリスティ・ロッソ(赤)DOCは森の果実やバラなどの香りがあり、口当たりは柔らかく、生き生きした果実味と優しいタンニンが感じられる。白身の肉からグリルなどのシンプルな赤身肉料理によく合い、少し冷やしてトマト系のパスタやトマトベースの魚介煮込みでもいいマリアージュになるだろう。
どちらも単体で飲むより、料理と合わせて本領を発揮するタイプだ。
彼らの自身作でありアイデンティティーでもあるラクリマ・クリスティをどこかで見かけたら、色々な料理と合わせて好みのマリアージュを探してみてはいかがだろうか。

 

デ・ファルコ・ヴィーニの紹介はこちらにも ↓↓↓

http://www.montebussan.co.jp/wine/defalcovini.html

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