ナポリの伝統菓子として『ババ』と並んで有名な『スフォッリァテッラ』。
先日ナポリ出張の際にナポリの近郊の町、サンジョルジョ・ア・クレマーノというところであるお菓子屋さん(イタリア語ではお菓子屋さんはパスティッチェリーアといいます)にいきました。
その名も『パスティッチェリーア・シリカ(Pasticceria Sirica)』
行ったのも朝でしたので、早速朝食がてらスフォッリァテッラを頂きました。
日本でスフォッリァテッラと聞くと、貝殻型のものをイメージすると思いますが、実はスフォッリァテッラには2タイプあるんです。
その2つとは、パリパリなパイ生地の『スフォッリァテッラ・リッチャ』(上)とさくっとしたタルト生地の『スフォッリァテッラ・フロッラ』(下)です。
生地と食感は違いますが、2つとも中にはクリームがぎっしり詰まっています。
▲『スフォッリァテッラ・リッチャ』(上)『スフォッリァテッラ・フロッラ』(下)の中はこんな感じです。
実はこの『パスティッチェリーア・シリカ』というお店は、(マニトヴァ・オーロなど)モンテ物産が取り扱いをしているナポリの小麦粉のトップブランドカプート社の小麦粉のみを複数種類使ってこれらのお菓子を作っています。
オーナーのシリカさんにもお話を伺いました。
▲オーナーのシリカさん。
『ナポリの伝統のお菓子はまず原材料が何よりも大切です。品質の高い粉に味わいのしっかりとしたリコッタチーズやドライフルーツを使ってこそ、本物のドルチェ・ナポレターノができるのです。』
『ドルチェ・ナポレターノにはナポリで作られる品質の高い粉が必要です。私がカプートにこだわる理由はそれなんですよ。』
ここで、シリカさんから伺った『スフォッリァテッラ・リッチァ』の作り方をご紹介。
スフォッリァテッラ・リッチァの元生地はうすーく伸ばした生地を筒状に丸めたもの。
これを下の写真のように長く伸ばしていきます。
こうして細長く伸ばした生地を2センチほどの幅で切っていきます。
▲薄く延ばした生地がロール状に巻かれているのがわかるでしょうか。
生地はくっつかないように、動物脂のラードを塗って巻いていくそうで、引っ張るとほどけるように取れていきます。
上の写真は実際に引っ張って見せてもらったところ。生地がとても薄いこともわかります。
もちろんスフォッリァテッラを造るときは生地をほどかず、このロール生地を下写真のように指で押し出すようにして成型します。
さらにこの中にリコッタリーズのクリームをぎっしりとつめて
最後にお尻の部分を閉じて、焼き上げると…
スフォッリァテッラ・リッチァが完成します。
香ばしく、パリパリなパイ生地と、中から熱々のリコッタクリームが現れるこの美味しさは焼き立てならでは。リコッタクリームは甘ったるくなくあっさりした味わいなので、いくらでも食べられそうです。
ナポリを訪れた際は、ナポリピッツァだけではなく、ナポリの伝統菓子『スフォッリァテッラ』もぜひ食べてみてください。